絵と生活
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蛸専用信号機

あるんだよどこかに夏のあいだだけ青の時間が長い信号/やじこ

 

『パターソン』のすぐあとに『ダンケルク』を観たので、パターソンの一週間とダンケルクでの一週間と一日と一時間、時間のことをもやもや考えていた。あと『散歩する侵略者』は長澤まさみがだいたい不機嫌で、なんかそれもよかった。不機嫌な女のひとっていいなあと思った。伊藤くん A to Eの木村文乃も不機嫌でいい。

映画館でナチョスを久しぶりに食べたけれど、これぱりぱりうるさいんじゃないかと気になった。予告の間に全部食べた。

風が吹く前

見てごらんあんなに遠くの信号が今青だからもう間に合わないよ/戸田響子

 

じまさんと『ワンダーウーマン』を観て、映画脳になったので『散歩する侵略者』も観た。『散歩する侵略者』、すごくよかった。オープニング、よかったなあ。長澤まさみの、やんなっちゃうなあ、もう!、よかった。愛に転げまわる松田龍平もよかった。黒沢清監督の映画って、19、20歳くらいのときに集中的に観たせいか、洗脳されてるのか、いいところしかみえなくなってて怖い。

昨日の夜はぜんぶ氷に

明け方に製氷皿をねじったら古びた夜のひび割れる音/岡野大嗣

 

伊藤くん A to E、岡田将生きた!伊藤くんにほんとぴったり。怖い。すばらしい。岡田将生の伊藤くんが登場するところ、ここ最近で一番テンションあがった。

あなたが眠くなる温度

こんなに強くきつく抱いてもあなたから青い光が漏れてやまない/目黒哲朗

 

ずっと部屋にはってあるジャック・リヴェットの『恋ごころ』のポスターに射す光で、今だいたい何時なのか判断して起きる。

やさしいくらげたち

かなしいとことばにすればひかりが来るあなたに教えられた通りに/吉野裕之

 

この前東京で、杉戸洋「とんぼ と のりしろ」をみて、ちょっとねて、TOHOシネマズ日本橋で『ダンケルク』をみて、深夜にテレビで『エターナル・サンシャイン』みて、わりとねて、ベルギー奇想の系譜展みて、江戸の琳派芸術展みて、森栄喜「Family Regained」をみて、ブックオフにいき、大丸でN.Y.C.SANDに並んで、まい泉のかつ丼を新幹線で食べた。出光美術館、また行きたい。

夢のなかに馬が交じる

大切なものをなくして馬になる/畑美樹

 

「いや、ごめんなさい、たびたび無神経な言い方をしてしまって。僕は鞠子さんの価値観を否定したくないし、鞠子さんを言い負かしたくもなくて、ただ、鞠子さんの考え方が自分にとってとても新鮮だから、僕の価値観をぶつけてみたくなっちゃうんですよ」

小太郎は正直に言った。

(山崎ナオコーラ『趣味で腹いっぱい』)

 

これこんなちゃんと言葉にできるってすごいな。

おしまいの合図

終わったらバケツの中に差しこんで花火の息の根を聞くのです/ながや宏高

 

『犬ヶ島』の予告をずっとみてしまう。

ころりと氷

きみとただ花火したくてよく冷えた水道水を飲みながらした/岡野大嗣

 

今年の夏、一番口にしたものって、水道水でできた氷で、深夜にやたら氷水を飲み氷を食べた。

虹の適温

夜の虹 行方知れずの友がいる/むさし

 

hontoでいろいろ買ってるうちに、到着に時差があるせいか混沌としてきた。でも安田登さんの能の新書が発売されていてまた注文した。

ユニコーンフォン

一角獣の電話を聞いている午睡/高田寄生木

 

山崎ナオコーラさんの連載小説「趣味で腹いっぱい」が今一番の楽しみで、挿絵がちえちひろさんなので挿絵も毎日楽しみ。

とけそうな雲

扇風機の風いちまいを掛けて寝る流れ星あきらめた夜明けに/鈴木加成太

 

今年初めて食べた梨は、東京の霞が関駅の自動販売機で売っていた梨だった。

ぬるい星

強く手を握れば握るだけふたり残せるもののない愛の日々/山田航

 

『パターソン』、永瀬正敏との会話シーンが本当に本当によかった。何度も眠くなってたけど、あの会話のとこ観るためにもう一度観たいと思った。

白熊ソフト

握らないでくださいそれは渦です/柳本々々

 

小池正博さんが川柳時評で『きょうごめん行けないんだ』について書いてくださっていた。小池さん、本の中に登場するので、どんな感じで読みはったのか気になっていた。

私と双子

われはわれを通して見える世界しか知らずヒマワリ夏の大きさ/中畑智江

 

caramelで髪を切った。やっぱり岩城さんはパーマがうまい。帰りに電車でぼんやり外をみていて、二大衝動的に降りたくなる駅は、海がみえる須磨駅と松林がみえる舞子駅、と思った。

光の石鹸

お互いの満月そっと泡立たす/畑美樹

 

『パターソン』観にいったら、二列前に、最近一番気になってる田中俊行さんに似たひとが座って、あまりに似ていたので、じっと見ていたら、あとから双子?っていうくらい同じ見た目の人がやってきて並んで座ったのでびっくりした。田中俊行さんのラジオ聴きすぎて、まぼろしみたんやろうかと思った。

蛸がほしかったもの

瓶ラムネ割って密かに手に入れた夏のすべてをつかさどる玉/岡野大嗣

 

井上荒野さんの『しかたのない水』を読み返してる。「手紙とカルピス」「オリビアと赤い花」「運動靴と処女小説」「サモワールの薔薇とオニオングラタン」「クラプトンと骨壺」「フラメンコとべつの名前」、タイトルが全部いい。

星にかえす耳

両耳がさらわれそうで立ち上がる/樋口由紀子

 

『死の棘』を観た。

泥船みたいなのにのってパンらしきものを家族で食べてるところがよかった。

いけるとこまで

一本の花火持たされ生かされる/松田俊彦

 

9月に入ってから、3回、家の中に侵入してきた小さいヤモリを外に出してる。

離さなかったら大丈夫

手をつなぐきみを迷子にするために/山内令南

 

『往復書簡 初恋と不倫』、めちゃくちゃおもしろい。おもしろいらしいんやなあと、軽く立ち読みするだけのつもりが、即買ってしまった。

ソフトクリームジャーニー

だってそれそのものが叶わなくても、いろんなかたちで叶えることができるはずだと思うんだ。ほら、よく言うじゃないですか。《違ったかたちで・おんなじふうに》って。私は、わりと、それを、信じているんだ。 (柳本々々「全部、初デート。」『かばん2017年7月号』)

 

『ただならぬぽ』の田島健一さんが現代詩手帖9月号で『きょうごめん行けないんだ』をとりあげてくださった。とてもうれしい。神戸新聞のときも思ったけれど、現代詩手帖に自分の名前が載ることあるもんなんやなあと思った。

形状記憶犬

とけかけのバニラアイスと思ったら夢中でへばってる犬だった/岡野大嗣

 

来週の課題曲、ベッド・インだ。涼しくなったので犬がちゃんと犬の形をしてる。

予感

こんな日が来て花束を抱いている/久保田紺

 

セブンティーンアイスもハロウィンに浸食されていた。

夏の整備

この夏も一度しかなく空き瓶は発見次第まっすぐ立てる/虫武一俊

 

『夏の終り』の妻と愛人の電話シーン、じっと見入ってしまった。

寝る前のお菓子

リボン結びになっていた甘い日々/広瀬ちえみ

 

須磨海岸の海の家がほとんど解体されていて、ほんとに夏が終わったと思った。

氷の味

今日の日はなにもつけずに召し上がれこの世の甘い味がするから/盛田志保子

 

『更地』がおもしろくて気になって眠れない。手づかみでスパゲティ食べたくなる。

コップと水の底

二回目で気づく仕草のある映画みたいに一回目を生きたいよ/岡野大嗣

 

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