絵と生活
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三月の三色団子

春雷が響く前からぼくたちはすでに四月をあきらめていた(山本左足)

自分への誕生日プレゼントとして、前から気になっていたROROの靴下を通販で買った。届いた靴下が想像以上にかわいくて幸せな気持ちになった。落ち込んだらここの靴下を買おうと思った。
 
桜羊餅

ねむいねむい春がわたしに迫り来てあらがわぬまま両腕に抱く(後藤由紀恵)  

『桐島、部活やめるってよ』は、桐島が部活やめて学校休んでるだけの話なのになんでこんなに面白いんやろう。桐島に振り回される人たちを見ていると、桐島が宗教のように思えてくる。桐島が最後まで出てきそうで出てこないところは、怪談映画の幽霊のようにも思えてくる。そして、やっぱりラストの屋上のシーンと野球部の先輩がたまらなく好きだ。
 
こぼれる春

知らぬ間に春は来てゐてその襟や袖から花を溢れさせてる(飯田彩乃)

髪の毛を切りに元町のcaramelへ。髪型を考えるのが面倒くさくなって、妹と同じ感じでいいですって言ったら、本当に妹と同じような髪型になった。夜、妹に会ったら「髪型一緒やんか!」と言われた。
 
たんぽぽ灯

全否定されても咲いたタンポポのように黄色くわれは生きたし(中畑智江)

今日、BSで『桐島、部活やめるってよ』だ。観なければ。録画もしとこう。
 
やわらかい森

不安だからどこにいても不安だから私は逃げる私の中へ(山上秋恵)

若い頃は、桜の下で宴会することはあっても、わざわざ桜だけを見に行くことはなかった。今は、咲けば見に行かないと落ち着かない。見逃すと、大きな取りこぼしをしてしまった気がする。年を取ると、盛る桜の精気が、自分に似つかわしくなくなるからこそ恋しくなるのか。桜を見ると、生き返る心地がする。その分、若くなくなったことを思い知る(田中兆子『甘いお菓子は食べません』より)
生き返る心地、わかる。桜の開花が気になってしかたなくなったのってここ何年かで、昔は桜どころか「花が綺麗」っていう感覚もほとんどなかった気がする。
 
休日の私と女

わたしのなかの笑ふ係のひとがけふ非番なのでともくれんが言ふ(荻原裕幸)

短歌の絵を描こうとするときに、短歌の中の私が誰なのか考えるのだけれど、荻原さんの短歌を読むと私が誰なのかなんなのかよくわからなくなることが多い。
 
オオカミの特訓

空欄は埋めないとだめ? 狼の気持ちはきっとウーウーオーよ(やじこ)

夜中に羊羹を食べるか冷凍チャーハンを食べるか迷って冷凍チャーハンを食べた。夜中にお腹がすいた時、「我慢する」という選択肢がいつの間にかなくなった。もし今死んだらお腹すいたまま死ぬのか、と考えてしまって「我慢する」が消えてしまった。
 
満月の支度

でこぼこのワッフルみたいな満月がゆっくりのぼる春が好きです(篠宮香南)

アマゾンの出品者の人から買った本が届いて、梱包のきれいさにびっくりした。買った本、箱入りの本だったのかと思ったら違って、本が傷まないようにカバーしてくれていた厚紙だった。古本屋でよくみる薄い紙もかけてくれているし、アマゾンの評価欄で「丁寧で感動した!」が並んでる意味がよくわかった。今まで本を注文した中で一番丁寧だった。
 
二人分の軽さ

さびしくはないとほろほろほほゑめば春はあなたのはうがさびしい(本多響乃)

眠れなくてテレビをつけたら、中崎町の八番で松ちゃんが唐揚げラーメンを食べていた。ラーメン食べたいし、葉ね文庫にも行きたい。
 
そらみみうさぎ

春だから母が掃除機かける音聴きたくなって耳をすませる(岡野大嗣)

録画していた『顔』を観た。これしみじみいい映画だ。公開当時に映画館でも観たけれど、その時はそこまでいい映画だとわかってなかった。16年経って観るとほんまにいい映画だった。途中から録画したので、観たかった自転車の練習シーンは観れずで、もう主人公は自転車にすいすい乗っていた。
 
くもりの日は機嫌の悪い馬

手につつむ携帯電話の液晶の光が希望だとほんたうに思ふ(目黒哲朗)  

風邪がやっとよくなってきた。朝野ペコさんの展示とはりーさんの展示を観に行きたい。
 
月に帰りたい

息つめてやきそばのおゆ捨ててゐる祈りとかたぶんさういふものだ(吉田隼人)

深沢潮『縁を結うひと』がとても面白かった。在日のこと、朝鮮の歴史について自分は全く知らんのやなと思った。他のも読みたいので注文した。この前東京でシャルル・フレジェ展を観た時も、日本の祭事の写真なのに外国の写真に見えるくらい知らないものばかりだった。日本の中のことなのに全然知らんことがほんまに多い。
 
星を持つ雲

遠くの方の海がひかりであるやうにわたしを忘れさつてください(藪内亮輔)

風邪がなかなか治らない。やばい風邪なのか食欲もなくなってきて、りんごばかり食べてる。りんごダイエット状態になってる。
 
猫にちょうどよい海

海だけのページが卒業アルバムにあってそれからとじていません(伊舎堂仁)

tokyo25世紀、『ほしのこえ』が元だったのか。『ほしのこえ』を初めてみてびっくりした。
 
春の武装

アルパカの立つ夢枕、明日から街は春へとかたむくでしょう(服部真里子)

風邪をひいていると、普通のりんごが恐ろしく美味しく感じる。
 
密封世界

「恋をして死ぬってことはある日ドッペルゲンガーみて死ぬってこと」/盛田志保子

風邪をひいた。座ってるのがつらい状態になったので、これは熱があると思ってすぐに布団に入った。体の節々が痛いし熱でしんどくて寝れへん!ってなって、近くにあったバファリンを飲んだら、30分後にすーっと楽になった。バファリン、やっぱりすごい。
 
青色エレジー

もし僕をこの世に二人みつけたらそちらの方を愛してください(山田誠久)

ペリカンの食パン、おいしい。当たり前だけど、トーストしてバターぬったらすごくおいしい。パンの粒子が細かくて、みっちりパン粒子が詰まってる感じだ。
 
きまぐれな永遠

永遠が近づいてくる結んでゐた髪を風へとほどいてゆけば(飯田彩乃)

花屋のごみなのか、大きいなプラスチックケースにほぼ葉っぱの花の屑みたいなのが2ケース道端に積んであって、二十歳くらいの女の子がその中からまだきれいな花を選んで花束を作っていた。20時くらいに荻窪で見た。
 
星を編み込む

明日もまた目覚めるために何度でも北斗七星数えて眠る(吉村桃香)

梅田の大丸にメルヘンのサンドイッチがくる!うれしい。
今日は甥っ子とつくしを摘んだり、もらったいかなごのくぎ煮を食べたりした。春の部分が来てるのに外はめっちゃ寒かった。
 
ぼくの星、くまの星

こんなにもふたりで空を見上げてる 生きてることがおいのりになる(穂村弘)

震災から5年経って、今までよりも震災や復興について知りたい気持ちが強くなってる。5年ずっとテレビとかでみていたのに、やっと自分のこととして考え始めているのだと思う。
 
ふわふわになる

傷ついたマシュマロみたいにぼくたちはやわらかくやわらかく生きてきたのだろう(那由多)

『やがて海へと届く』読み終わった。彩瀬まるさんは地震のとき福島へ一人旅をしてはったので、登場人物のすみれは自分だったかもしれないこととして書かれてるんやろうなと思った。だからすごくリアルだった。死後のことがリアルっておかしいけれど、こんな感じなんだろうなと思わされた。
それからちょっと一日ぼんやり考えて、死んだときのことってどこまでも想像することしかできないから、すみれの章は死後のことじゃなくて、主人公の頭の中のすみれだと思った。
 
雨のち飴

水たまりひとつひとつにドロップを落としてゆけば虹に会えます(鈴木加成太)

朝井さん作詞のNコン課題曲「次元」を聴いて、こんな感触の短歌があった気がする、とここ何日か探していて、柳本々々さんの「先生はほんとはなにをしてるひと? きわどいことをきいてくるなきみ」と判明した。すっきりした。
 
雲のいる空

うすのろな日々にときおり射すひかり祈りは空を見上げるしぐさ(ユキノ進)

『クリード チャンプを継ぐ男』、シネマ神戸で上映される!最近ずっと観ればよかったなぁと後悔していたので嬉しい。今、新所沢で上映していて、今度の東京行きのときに観に行こうと新所沢への行き方を調べていたのでほんとに嬉しい。
 
鳥々の花束

マーガレットとマーガレットに似た白い花をあるだけ全部ください(岡野大嗣)

『秒速5センチメートル』、初めて観た。めっちゃ綺麗なアニメーション。切ない気持ちを抱きつつ観てたはずなのに、最後まで観ると切なさがなくなり、なんかもやもやした気持ちになった。主役の声が水橋研二さんだと、ファンなのにエンドロールで名前が出るまで気付かなかった。
 
私の鳥とクローバー

しあわせは欠片となって降ってきて白詰草となり配られる(松尾唯花)

「途中でやめる」のくるんくるんワンピース、注文してしまった。福岡の友人の福住さんが着ているのを見てからずっと気になっていた。
 
流れ星の化石

ひるひかる星を選んでつれていく忘れないという祝福がある(北村早紀)

彩瀬まる『やがて海へと届く』を寝る前に読んでる。思ってたのと違う作りの小説で、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』みたいで、ぬおーこれは最後どこに着地するんやろう。
 
春に向かうくじら

今どこにいますか何をしてますかしあわせですかもう春ですか(たきおと)

ダイヤモンドダストという名前の茶葉をいただいた。銀箔が入っていてお茶がきらきら光ってる。光る緑茶、初めて飲んだ。
 
オオカミの入口

耳の穴どこまで掘れば真新しい君が眠っているのだろうか(藤田美香)

『ミリオンダラー・ベイビー』を観た。後半観てると前半が夢だったように思う。モーガン・フリーマンの「"やれるだけやった"俺もそう死にたい」っていう台詞を聞いて、私も私もと思った。
 
ミモザの海

めぐるたび懐かしくなる春のこと昨日ひろった猫にも話す(嶋田さくらこ)

さくらこさんのブログが再開されていて、新作が読めるのがうれしい。食器と食パンとペンの本に掲載させてもらった短歌もこのブログの中のだった。
 
さよなら未満

三月が僕の部屋にも訪れて別れ支度を済ませと迫る(山本左足)

辞書をもらった。一番最初に「にぎりめし」を引いた。「祈る」とか「命」とか説明が難しいんやなぁと思った。「命」には「死ぬとなくなる」と書いてあってなるほどと思った。