絵と生活
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反祝福

ひきがねをひけば小さな花束が飛びだすような明日をください(笹井宏之)

キノブックスって、やめるときに引き継ぎとかせんのやろうか。食器と食パンとペンの本がどうなっていくのか不安。なんかつかれた。
 
無地の服は軽い

花束に顔をうずめているあいだ逃げ方ばかり考えていた(佐伯紺)

怖くなった私は、シャワーを浴びることもせず、うつ伏せの状態でベッドに寝転がった。必殺「一回寝る」である。私はこれをよくやる。六時間くらい放置しておくことで状況が好転しないかと期待してしまうのだ。
(朝井リョウ『時をかけるゆとり』の中の「直木賞で浮かれていたら尻が爆発する」より)

朝井さんのエッセイ、めちゃくちゃおもしろかった。寝る前にちょっとずつ読んでいて、この本のおかげで笑って寝れた。ラジオで話していた、民家のトイレに突撃する話や母が免許証を好きな形に切る話、眼科医との戦いが読めてうれしかった。
 
しあわせな花束

花束を抱えて乗ってきた人のためにみんなでつくる空間(木下龍也)

新幹線に乗る前に東京駅の周辺をちょっとだけ歩いたら、三沢厚彦の木彫りの白熊が道端にぽつんと設置してあった。雨降りそうやのに外にほっぽかれてる!と勝手に心配してしまった。帰ってから調べたらブロンズでできているとわかり、ほっとした。
 
空の花束と鳥の戯れ

マーガレットとマーガレットに似た白い花をあるだけ全部ください(岡野大嗣)

土日に東京へ行って、岡野さん木下さんのイベント「サラダ記念日を越えてゆけ」をみたり、文学フリマに行ったりした。「サラダ記念日を越えてゆけ」で、隣はじゃこさん、後ろは伊舎堂さん、そして私で大阪芸大魔のトライアングルになっていた。
 
湯気と星屑

オレ以外みんな真面目に生きていて取り残された気のする深夜(工藤吉生)

DOMMUNEのアノニマスデザイン史を初めて観た。面白かった。デザインをお笑いの世界に当てはめて言っていて、なるほどーと思った。次回も観たい。
 
夜の網目

真夜中にレモンをがりりと齧っても私じゃなくて母親のまま(浅羽佐和子)

ベビーシッターをしに妹の家へ。家の卵が飽和状態で卵20個をさげて行った。よい卵をくれはる人がいて、くれるタイミングがわからず、家の卵がときどき増えすぎる。
 
私にふさわしい雨

わたしには夢も希望も少しあり雨が降ろうとスーパーへ行く(雪間さとこ)

昨日寝る前に『ミスト』を観てしまった。『野火』に続いて寝る前に観るにはあまり相応しくない映画。今日は『バグダッド・カフェ』だったのでなかなかいい感じだ。
 
水たまりトラベラー

水溜まりばかり歩いてここじゃないどこかに引き摺りこまれたいのです(ショージサキ)

市川崑の『野火』を観た。最後の「普通の暮らしをしている人間にあいたい」が頭に残る。
 
暴れるジャム魔

悪いひとが夕べに迷う6枚と8枚に裁断された食パン(辻聡之)

この前名古屋で買った岐阜の栗きんとんがもう一度食べたい。調べると東京で買えるようなので、今度の東京土産は岐阜の栗きんとんにしようと思った。
 
暗がりの甘いところ

くらやみへ沈みゆく歯のよろこびをガトー・ショコラも羊羹ももつ(鈴木加成太)

犬が騒ぐので外をみたら霧がでていた。霧、好きなので教えてくれた犬に褒美としてクッキーを二つあげた。
 
つやつやの雨

世界中どこかでいつも降る雨の端っこを今もらって濡れる(奥坂竺人)

10年前に買ったけれど似合わないからとずっと着ないままでいたトレンチコートが、年を取って普通に着られるようになった。
 
夢の幕間

まっしろなブランケットにくるまれてまたまっしろにもどりたかった(龍翔)

『とんかつ大将』をみていたら、とんかつが食べたくなった。でもコロッケしかないのでコロッケ食べながら『とんかつ大将』の続きをみてるけれど、とんかつが全く出てこなくなった。
 
冷たいしっぽ

捕まえたら幸せになれるらしいので秋風のしっぽ、しっぽください(飯田彩乃)

観る映画を選ぶのにとても参考にしているツイッターの人が『コードネームU.N.C.L.E』を楽しい!と言っていたので観たい。
 
一生分の甘味

「頑張ったご褒美だよ」とおじさんが一万年をくれる夕暮れ(飯田和馬)

葛根湯を飲むタイミングが正しかったようで、風邪が抑えられている。
月曜からBSNHKで市川崑特集なので、たまりすぎた録画を消化しはじめた。「庵野さんと僕らの向こう見ずな挑戦」がとてもおもしろくて、ながら見するつもりが真剣に見てしまった。
 
電池交換

がんばれば夢は叶うと唱えつつゆるやかに死んでゆくいちにち(佐々木絵理子)

こたつを出した。早速こたつで3時間寝たら風邪の予感がしたので、葛根湯を飲んだ。
 
新しい神様

笑つたはうがいいと思つて空を見る 僕は雨宿りに慣れてゐる(濱松哲朗)

ラジオ深夜便に小栗康平監督が出ていて、話を聴いているうちに『FOUJITA』が観たくなった。映画は出てくる人物の姿形をじっとみるもので、みることは祈ること、みたいなことを聴いたような気がするけれど、眠りかけだったのではっきり思い出せない。でも確かに映画って、最後まで見守るしかできへんよなぁと思った。
 
猫の手触り

袖口を嗅ぐだけでねむたくなれる部屋着で過ごすうつくしい日々(岡野大嗣)

岡野さんが謎の往復書簡ブログを始めてはる→ポッキーとプリッツ
人の記憶を盗み見ると、自分の記憶を思い起こすきっかけになる。
 
夜が漏る

TV観てぼんやりしてたら夜になりまたがっかりをひとつかさねる(西之原正明)

ぼんやりしているうちに、ゴッド・ヘルプ・ザ・ガールも岸辺の旅も終わってしまった。塚口サンサン劇場で観れるみたいやけど、微妙に遠い。ハッピーアワーの上映時間が5時間と知って、これは映画館で観ないと一生観ない気がするし、前売りを買っておかないと観に行かない気がする。
 
宛先不明の生活

ささやかなグッドニュースを積み上げてなんとかやっていこうと思う(斎藤見咲子)

風邪が治ったら今度は腹痛で土日がつぶれて、いつの間にか水曜でびっくりしてる。気分が沈むことで沈んでるうちに時間が経っていて、余計沈む。
 
続編の予感

生きてゆく根拠はたぶん曖昧でそれでもそこに升目のある日(柳本々々)

もうまぼろしだったように感じる夏の「ととととライブ」で、柳本さんが私の絵にはバイオレンスが内包している、というようなことを言ってくれたのがなんかうれしくて、ときどき思い出す。「とととと展」の様子は牛さんがだいぶ前にまとめてくれていた→とととと展レポート
 
たちぎれ

バックしますご注意くださいまた同じ過ち繰り返そうとしてます(小坂井大輔)

『伊藤潤二自選傑作集』を読んだ。伊藤潤二の漫画ってわりと夢の話がでてくるんやなぁと思ったけど、ホラーと夢が密接なんかなと思った。「長い夢」と「睡魔の部屋」を勘違いしていて、「睡魔の部屋」が読みたくなったので、収録されている『脱走兵のいる家』を買った。『うめく排水管』も読みたくなって買ってしまった。
 
セルフ神さま

神様になって上から聴いている気持ちになれる 音量1で(伊舎堂仁)

絵を描くときはだいたいラジオを聴いていたのだけれど、最近はずっと「コードレスでいこか」のアーカイブを聴いてる。
 
オムライスをめぐる冒険

そんじょそこらの旗なんか刺さらないつよいつよいオムライスください(加賀田優子)

シマウマ書房に在店する前日に、栄町のシャーナで服を買った。何着ていいのかわからなくなったときは、シャーナの服を買うことにしているので、気が付けば持っている服の三分の一くらいがシャーナになってる。

そして日曜日でシマウマ書房での展示が無事に終わりました。ありがとうございました。
 
私とあなたのマフラー

きみが十一月だったのか、そういうと、十一月は少しわらった(フラワーしげる)

フラワーさんのこの短歌、11月が近づくと考えてしまう。ずっと11月のはじまりの歌だと思っていたけれど、これは11月の終わりの歌なのかなぁと思った。ごんぎつねの最後で、兵十が「ごん、おまえだったのか、、、」というみたいな感じで、11月が死ぬところなのかなぁと妄想した。
 
みずうみのはしっこ

さよならは済ませときたい四捨五入すれば秋だと思えるうちに(岡野大嗣)

岡野さんが『サイレンと犀』のキャンペーンをしていて、ツイッターで感想をつぶやくと抽選でポストカードがもらえます。→『サイレンと犀』 読書週間キャンペーン
ブックカバーのネットプリントも再登録してくれています。
あと11月カレンダーもあります。→サイレンと犀11月カレンダー
 
点と線

海になることと涙になることがすべての水の憧れだつた(山田航)

午前中甥っ子と猫二匹の相手をしたら疲れて、帰ってすぐ寝てしまった。妹と風邪の話をしていたら、妹は三週間ひいてると言っていておそろしかった。
 
炭酸水と夜の泡

わたりゆく夜から夜へせいけつな息を止め合うふたりはそっと(杜崎アオ)

この前ジマさんと布引ハーブ園に行った。20年ぶりに行ったらロープウェイが新型になっていた。階段で財布がごろんと落ちていて、拾って係の人に届けた。財布を拾ったのって初めてやなぁと思った。