絵と生活
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なつやすみの神様

マーブルの水ヨーヨーが地を叩く 世界が消えるときは一瞬(岡野大嗣)

梅田の阪急のディスプレイが珍妙なことになっていると思ったら、ハジメテンやったので納得した。次はじっくり見よう。
 
いい子は山で

「ヤッホー」と叫ぶあなたに「好きです」と叫べばこだましてくれますか(龍翔)

とととと展、平日だし、暑すぎるしで、人くるんやろうかと心配していたけれど、たくさん来てもらえてとてもうれしい。がんばって作ったポストカードも売れてうれしい。今日は葉ね文庫の展示が完了してほっとした。

 
曇りの日の水泳教室

雲の間を埋めるがごとく雲は溢るいったい誰がいるのでしょうか(北山あさひ)

特に笑顔はないけれど、今日は機嫌がいいんだろうか、あまり顔が死んでいない。
(白岩玄『未婚30』より)

真夜中のニャーゴで紹介されていて気になっていた『未婚30』を読み始めた。面白い。
 
焦げたわたあめ

遠くから不意に雷鳴 なんだ雲、群れたら急に強気じゃないか(山本左足)

とととと展が無事にはじまった。直前まで展示準備をしていて、久しぶりに死にそうになった。
 
発光するクマ

ぼうっとしてゐるあなたが好きでぼくはもうこんなところまできてしまった(中山明)

筆に寝癖がついて、とても使いにくい。まぁ一日我慢したら元に戻るやろうと思っていたのに、二日経っても寝癖がなおってくれなくて不便。
 
しぼりたての雲

海岸でかもめがキュウと鳴いたから入道雲の送風開始(竹林ミ來)

かもめブックスの展示、たくさんの人にきてもらえて本当にうれしかった。竹林さんはいつの間にか二回きてくれていた。
 
つきのつま先

夜に切る爪うつくしく捨てられて誰もわたしを思い出さない(嶋田さくらこ)

東京の展示が無事に終わったので、だらだらしたい気持ちがむくむく湧いてくるけれど、とととと展が迫っていて、とととと展の準備をずっとしている。そして気が付けば8月2日の「ととととライブ」の受付が終了になっていた。きてくださる方がいてほんとよかった。
 
花束UFO

出荷する前に選別されたから花屋の花はどれでもきれい(島坂準一)

昨日、まさかあんなに電車が壊滅的になると思っていなかった。昼頃には動くやろうと待っていたけど、全く動かないからあきらめて家にいた。今日は体調不良で郵便局とギャラリーヴィーにしか行けず。葉ね文庫とかitohenにも行きたかったのに。
 
雨粒と花火

こう見えて楽しいのです雨粒で濃くなってゆくスカートの色(佐倉麻里子)

明日、葉ね文庫行って書肆アラビク行ってitohen行ってondoギャラリー行って、ギャラリーヴィー行って書肆スウィートヒアアフターへ行く気持ちでいたけれど、無理な気がする。
 
もう二度と食べられないあまいもの

さまざまな思い出の色混じり合いもう取り出せない古いドロップ(河原ゆう)

三宮のジュンク堂に食器と食パンとペンの本があるかどうか見に行った。ちゃんとあってすごくうれしかったので一冊買ってしまった。自分の本だけやとなんかなぁと思って、「江口寿史の正直日記」も買った。
 
ひんやり雲

青空にソフトクリームぶちまけてなんて平和な夏なんだろう(木下龍也)

おおお、羽田圭介さん、芥川賞とりはった。ウォーボーイズになって、銀のスプレーを吹きつけて「俺を見ろ!」って言っていた次の日に、金屏風の前に座っているお姿が見られてうれしい。
 
こぶたの夏休み

一向に溶けないアイスクリームのおかげでここが夢だとわかる(ながや宏高)

昨日、真夜中のニャーゴを見たら、羽田圭介さんがいきなりウォーボーイズになっていて、作家ってすごいと思った。
 
真夜中のねこじゃらし

気にいった服が小さくなることはもうないね真夜中の息継ぎ(山階基)

あまりに暑いので、犬のために冷たい敷きものを買ってやったのに全く使ってくれない。3000円もしたのに。
 
溜め息の泡

吐き出した溜め息ぶんの幸せを吸い込むことで成り立つ呼吸(大村椅子)

食器と食パンとペンの本、初出に誤植が二ヶ所あってへこむ。
一つは藪内さんの生まれ年で、89年なのに80年に。もう一つは柳本さんの名前でヤギモトがヤナギモトに。悲しい。
 
カタバミのかたすみ

しあわせな日々と書かれたラベルだけ余っているのでもらってきたよ(実山咲千花)

展覧会の初日に私がいない間にヤギヌマさんという方からお菓子をいただいていて、「ヤギモトさんでなく?」と思っていたら、あとがき全集を読んで、やっぱり柳本さんや!となった。しかもあとがき全集読んだら、トークショーも来てくださっている。どの人やったんやろう。しかも、限定15枚のポストカードが写っているから、本も買ってくださってる。そんな柳本さんの名前が、本では誤植でヤナギモトさんになっていてとても申し訳ない。
 
かわいいの塊

犬はさきに死ぬ みじかい命のかわいい生き物 自分はいつか死ぬ みじかい命のかわいい生き物(フラワーしげる)

東京で東直子さんとトークショーをしていて、普段自分のことを話す機会がないのもあって、気が付けば聴く人になってしまうと気が付いた。よく考えたら、短歌を読むということも誰かの話を聞いているような感じだ。
 
雨雲とスワンボートのサンドイッチ

終点に着いてしまった「降ります」と声を上げずにいたばっかりに(岡野大嗣)

7月11日
本多響乃さんが企画してくださった短歌なランチ会へ。二回もサプライズプレゼントがあって本当にびっくりした。好きな短歌を読んで好き勝手にイラストを描いているのに、こんなええ思いしていいんだろうかと思った。
 
ソーダアイスの半分

わたしたちを隔てていたのは海じゃなくたった二枚の窓だったのか(飯田彩乃)

7月10日
展示初日、東直子さんとトークショーして、サイン会をした。東京にいる三日間はずっと走馬灯をみているような気分になっていたけれど、トークショーとサインしているときが一番走馬灯っぽかった。トークショー、目の前に飯田彩乃さんがいて、心強かった。
 
空への近道

一年にふたり以上は渡れない橋で僕らはまたすれ違う(岡野大嗣)

7月9日
かもめブックスで展示設営→紀伊國屋書店新宿本店→ブックファーストルミネ新宿店→展示設営

かもめブックスの井上さんがさくさくと設営してくださって、本屋二軒行っている間にほとんど終わっていた。駒井さんには無理言って映像も作らせ、設営も手伝ってもらってほんとずっとお世話になりっぱなしやなぁと思う。
紀伊國屋とブックファーストで何冊か本にサインをした。本屋で働いていたときの気持ちになって、サインしてもていいのかと心配しつつサインをした。ブックファーストの店長さんがめちゃめちゃ関西弁だった。
 
みずうみの中の中

浴槽はひとりにひとつ思い出を溶かした中に浸かるということ(なこあーる)

9日〜11日まで東京へ行っていた。家に帰ると、注文していた花原史樹さんのねこTが届いていてうれしい。久しぶりに犬をなでたら、機嫌が悪くてかまれそうになった。

 
ほろぶほころぶ

ひとりでに落ちてくる水 れん びん れん びん たぶんひとりでほろんでゆくの(蒼井杏)

新幹線の往復、思っていたより足がむくんで疲れたので帰ってすぐ寝ようとしたら、ウーマンラッシュアワー村本大輔のオールナイトニッポンが今日からだ!と気が付いて1時まで起きて聴いた。
 
メダマヤキ・ファルコン

とおいとおいみらいをおもう箸先で卵の黄身をつついたりして(飯島章友)

東京へ日帰り。行きの新幹線で北極星のオムライス、帰りはまい泉のかつ丼を食べて、食べ過ぎで苦しくなった。新大阪から新幹線に乗る時は次もオムライスが食べたい。
7月10日から展示をするかもめブックスが、神楽坂駅から20歩くらいで着く近さでびっくりした。目の前に新潮社のラカグがあって、東京って、やっぱりおしゃれやなぁと思った。
 
ビール狩り

わたくしが地球に住んでゐたことを思ひ出させるビールの味だ(有村桔梗)

ビールが好きじゃないので、めったに飲まないのだけれど、ビールの味ってほんまに独特で謎の味だと飲むたび思う。ビール好きな人には、味じゃなくてのどごしを味わうんやとずっと言われる。
葉ね文庫でフラワーしげるさんの歌集「ビットとデシベル」買った。葉ね文庫に行くと、毎回歌人の方が3、4人ぐらい普通にいるのでびっくりする。
 
目的地、プリン

完璧なプリンを食べるささやかな月の光に震えるような(飯田彩乃)

一年半ぶりに髪の毛を切りに元町のcaramelへ行った。一年半の間に中も外も改装されていて、初めていく美容院みたいだった。街中はセールが始まっていて、気が付いたら靴下を4足買っていた。
 
虹の根

虹の輪のなかにすっぽり入っても君がそこにはいないと気づく(横地智宏)

犬、今日も深夜に起きる。犬の背中をなでていると、こどもの頃夜中に祖母に背中を掻いてもらったことを思い出した。


7月のカレンダーを作りました。→サイレンと犀7月カレンダー
 
雨なんか知らない

雨垂れの音飲むやうにふたつぶのあぢさゐ色の錠剤を飲む(木下こう)

真夜中のニャーゴまで寝ようといったん寝たら、寝過ごしてニャーゴが終わっていた。悲しい。この頃深夜二時に一度起きる犬に起こされて起きたけれど、もっと早くに起こしてほしかった。起きた犬は外の様子を確認したい欲で暴れるので、外を見せていたら、夜中なのに異様に明るくてびっくりした。満月だった。
 
からっぽの風船とたねのある赤い実

夕焼けは鳥の天国ぼくたちの天国と交換してくれますか(杉崎恒夫)

猪熊弦一郎美術館のマルティーノ・ガンパー100日で100脚の椅子を観に行く気満々でいたけれど、一人より誰かと行った方が楽しいような気がしてきた。美術館の展示って、絵と映像以外はだいたい誰かと行った方が楽しい。いつも妹と行っていたから、妹が忙しくて行けないと一人で行くしかない。