絵と生活
<< January 2014 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
こっちへおいで

喜びはみな若者のためにあり冬の日向に干されるリボン    堂園昌彦

「どくだみのはをとってきておくすりをつくろう」
保育園の発表会のときの私の台詞。ずっと覚えてる。
家の裏庭にはどくだみが生える。


哲学的ゾンビたち

世界からはみ出してゆく豹たちを歩道橋からじっと見ている   空木アヅ

明日は「ゼロ・グラビティ」か西村ツチカ展を観に行きたい。
ココアばかり飲んでいて太ったので、半分ぐらいは白湯にし始めた。


深夜包装

乾葡萄のパン部屋にあり星の夜をむくっむくっとあたたかくする   鈴木加成太

100%ORANGEの「スナオの乾物記」を読んで、この歌を思い出した。
「SUNAO SUNAO」、買おう。


冬と風呂

わたくしの今日を消すのにふさわしい石棺型の白い浴槽    杉崎恒夫

長嶋有の「問いのない答え」を読み始めた。すごい。おもしろい。
ツイッターで言葉が広がっていくように、小説の世界も広がっていく。


炎になるまで待つ


トーストが黒こげになるこのことはなかつたといふことにしませう   香川ヒサ

トンカ書店へライブを観に行って、幸せに歌う人に幸せを分けてもらって幸せに帰宅。
CDを買ったので、当分幸せを持続させたい。


目覚めにシンバル奏者

美しく円を描くひと 明らかな声は真白き部屋を満たしつ   吉村桃香

明石駅前のビルは右から順番に取り壊されていってる。
取り壊し待ちのビルの明石東宝とジュンク堂の看板が悲しい。


眠る団地

終止符を打ちましょう そう、ゆっくりとゆめのすべてを消さないように   笹井宏之

「Seventh Code」、観に行けなかった。
久しぶりに宇野常寛を聴きながら眠る。


夜の網目

こんなにも人が好きだよ くらがりに針のようなる光は射して   中澤系

ジマさんとターナー展。人が多い。
いろいろ本を見ようと思っていたのに、本に圧迫されてほとんど見ずに帰った。


夜を運ぶ

さんざんに美しい幻の家であるような紺のコートを羽織る    早坂類

次に読もうと思いながら1年ぐらい経った「キャベツ炒めに捧ぐ」をやっと読んでる。
総菜屋さんの話だから、美味しそうなものがたくさん出てくる。
でもその中で一番惹かれるのは、キャベツ炒めとトーストとコーヒーのセットだ。


ドッグマーカー

ごめんね、と何度も思う 真冬日の犬はすっかりたいらになった   村上きわみ

妹の子の泣き声より犬の鳴き声の方がうるさくて、よく起こされる。
私は絵を描くことが好きなのだとこの頃認識できるようになった。


春を収納

いつの日か建築物を造りたい春には人が集まるような   小島なお

体調不良で一日寝る。


白い温度

遠つ国の名前もちたるヨーグルト食めば距離とはつめたさのこと   飯田彩乃

喫茶星霜の窓際席に初めて座った。
「Seventh Code」をなんとか観に行かないと。一週間限定上映って短いなぁ。


熊を手伝う

手袋を雪にうづめることばかり考へてゐた それほど赤い   濱松哲朗

血まみれと乳まみれは同じようなもんやと妹が子を抱きながら言う。
2月のNHK短歌にカラスヤサトシ!


苺を連れ去る

誰かの手を離れる風船 世界から失われゆくひとつのかたち   ユキノ進

「マンガホニャララ ロワイヤル」をやっと読んだ。海文堂で最後に買った本。
8割ぐらい読んでない漫画の話なのに、面白い。ブルボンはすごい。
雁須磨子漫画におけるふわふわした言い表せない感じも的確に解説されている。


旅するため息(南極編)

吸う吐く吐く吐くことが大事と教えられ大きく深いため息をつく   河上則子

いつも通り全然予想が当たらんかった、直木賞芥川賞。
「穴」かぁ。小山田さんの小説を読める機会が増えるのはうれしい。
帰ったら、問いのない答えとか群像とか歌壇が届いていた。


白鳥か石か人間

ああ石に、石になりたい 人生を楽しむひとがつまづくような   魚住蓮奈

直木賞は伊東潤、芥川賞はいとうせいこうの予想。
穂村さん聴いて、不毛な議論聴いて寝よう。


肺を鍛える

千円の恋愛攻略本を読み息のし方の勉強を始めた    川村有史

久しぶりに犬の散歩に行ったら、近所なのに道に迷った。
田舎の暗闇は怖ろしい。


羊男のせいでドーナツ作りすぎた

やれやれ、と僕は思った。ぼんやりと村上春樹の文体に寄る   永田紅

つらい時に妹の子が泣いているのを見ると、自分のかわりに泣いてくれている
ような気がする。「かなたの子」を読み始めた。


さくらんぼ不在

メロンソーダにアイスフロート遊ばせてついに自分もひとごとになる   虫武一俊

父、妹、私でよく喫茶店に行った。
妹と私は毎回クリームソーダを頼んで、さくらんぼを最後に食べるのが楽しみだった。
一度私がさくらんぼを床に落としてしまい、お店の人が追加でくれたのを妹が見て
「おねーちゃんだけ二個もずるい」って泣き喚いたことがある。
走馬灯として見そうな記憶。


ソーダ水未満

見過ごした映画のような風に会う壁にもたれて笑っていたら    前田康子

オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ、見逃した。
ああ観たかった。


父の定番メニュー

くりかえすことのしあわせ何度でもホットケーキは円形になる    高松紗都子

妹がきてから食パンの消費速度が異常だ。今日は三枚食べていた。
「夢のなかの魚屋の地図」が読み終わってしまい、さびしい。
「天からは降らない」から始まって「最後」で終わる完璧なエッセイ集やった。
小説を読み返したくなるし、アイリッシュシチューが食べたくなる。


壁、壁、壁、海

無意識にのりこえられたらしい悲しみが つながるたびに押し寄せてくる  林あまり

モリス氏から頂いたうなぎパイV.S.O.Pがすごく美味しい。
最近、妹は乳牛の夢をみるらしい。


神座の景色

ジャンクションの弧線が光る ささやかな意志の前途を讃えるように   岡野大嗣

今年の目標は、ホームページを作ること。
と思って本屋でWEBの本を見たら、全部HTML5になってる。


甘い味がする

ため息をちょうどふたつに分けたとて僕が両方食うことになる   スコヲプ

長嶋有の「祝福」、単行本持ってるのに文庫も買ってしまいそう。
あんな表紙ずるい。
やしきたかじんのショックに妹と耐えている。


夢の中の灯り

立ち消えた物語をまた灯すため擦った両手をふとんにしまう   沼尻つた子

喫茶星霜でカレーとコーヒーと「夢のなかの魚屋の地図」
さまよってふらふらになった。


余った自分とマッチの予備

なにもかも何かにとって代わられるこの星で起こることはそれだけ   飯田有子

モリス氏が買ってきた苺大福を食べ、ネットで短歌を探しつつ
サンテレビで「つむじ風食堂の夜」を観た。
東京ではクラフト・エヴィング商會展がある。いいなぁ。
妹の夜食がバナナ一本から苺大福とバナナに増えた。


ポスト巡礼

初詣代わりにポスト 四角くて赤くて何も言わないポスト   竹林ミ來

初詣、行ってない。去年も行った記憶がない。
鍵のかかった部屋SP、豊田市美術館がふんだんに使われていてびっくりした。
死ぬまでにはもう一度行きたい。

 
雪雲と死神

死んだ人の心の位置に風船がとどまるせいでその中が雪    我妻俊樹

年末に村上春樹の番組に出ていた綿矢りさがすごくよかったので
「かわいそうだね?」を読んでる。


どこも使用中

ひらいてもひらいても風であるようなよい一年でありますように   実山咲千花

妹の子の顔が預言者めいて見える時があって、ときどき怖い。
駒井さんから歌集「処女のまま始発で帰れ」を受け取った。


神様のおすすめ本

さらにまた生きてゆくべしまだ知らぬ自分に会へるたのしみがある   安立スハル

目覚めるとバスの中で、降りるバス停を通り過ぎていた。
そのままぼんやりバスに乗って、駒井さんの個展「ふくわらい」を見る。
という初夢を昼寝しててみた。
目覚めてもまだ夢の中、インセプションみたいでよかった。